「ジョブ」はタバコの巻紙の製品名で、旧約聖書にある同じスペルの「ヨブ記」(Job、英語読みでは「ジョブ」) とは関係ない。タバコそのものではなく、その巻紙の宣伝ポスターというのも当時ならではである。商品の宣伝ポスターの場合、当然その商品が焦点となるが、 タバコの巻紙では「絵にならない」。そこでミュシャが選んだのは、ジョブで巻いたタバコを吸い、陶然となる美女であった。タバコから立ち上る煙は文字通り 「紫煙」として画面の上の枠いっぱいに広がっている。ミュシャ好みの美女であるが、ある意味でここでの主役は《『ラ・プリュム』誌版アート・ポスター:サ ラ・ベルナール》以上に強調された波打つロングヘアである。JOBの文字や、ジグザグのモチーフを繰り返した枠の部分は、これまたミュシャにしばしば見ら れるビザンティンのモザイクの応用である。
管理人は海外の芸術関係がさっぱりなので初めて耳にしましたが、チェコの歴史的なグラフィックデザイナーさんらしく、JOBのポスターなんてそのままスマートフォンの壁紙にしても良さそう。
加えて、JOB社は19世紀から営業しているというのも非常に興味深いです。
大阪の堺市に展示館があるそうなので、いつか行ってみたいですね